エミール・シオラン『かすかな眩暈』

 シオランを拾い読み。Emile Michel Cioran, Ébauches de vertige, Paris, Gallimard, 1979(未邦訳)。このタイトルには、『かすかな眩暈』あるいは『眩暈のデッサン』ほどの訳を与えたらよいだろうか。

 存在すること、それは剽窃である。(p.19)

 痛みとは何か?――消え去ろうとしない感覚、野心的な感覚。(p.19)

 死(la mort)は完全な状態。人間(un mortel)の手が届くところにある唯一のもの。(p.21)

 絶え間ない祈り、破砕的な祈り、終焉を拡散する祈り!(p.64)