Covid-19 LINKS
官邸コロナ対策ページ https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html
厚労省コロナ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
東京都 https://www.metro.tokyo.lg.jp/
東京都コロナ対策 https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/
Yahoo!コロナまとめ https://hazard.yahoo.co.jp/article/20200207
新型コロナウイルス対策ダッシュボード https://www.stopcovid19.jp/
文科省コロナ https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/index.html
WHO Covid-19 https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019
WHO Director-General Speeches https://www.who.int/dg/speeches/detail
福島第一原発に注視するためのリンク集(2013.5.10更新)
自分用メモです。
必要上、ブログのトップに表示するため、3000.01.01という日付のエントリーにしてあります。このエントリーの下に、通常の最新記事が表示されます。福島原発の状況が或る程度安定したら(そう容易ではないでしょうが)、このエントリーは削除します。元エントリーはhttp://d.hatena.ne.jp/clair-de-lune/20120103(1/8をもって更新停止)。
地震情報
・気象庁地震情報
http://www.jma.go.jp/jp/quake/
・Yahoo! 天気・災害 - 地震情報
http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/
・Hi-net自動処理震源マップ
http://www.hinet.bosai.go.jp/hypomap/
・強震モニタ+地震波形音
http://www.ustream.tv/channel/nied4maps-test
福島第一原発ライブカメラ
・東電配信
http://atmc.jp/fuku1/
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/camera/index-j.html
・JNN配信
http://news.tbs.co.jp/newsi_sp/youtube_live/
http://www.youtube.com/watch?v=GyZRHekr6cg(最新URLは随時変わる)
・1〜4号機の位置関係
http://matome.naver.jp/odai/2130628247726321801
最新情報(信憑性・正確性はさまざま)
・「4号機」のリアルタイム検索(Twitter)
http://realtime.search.yahoo.co.jp/search?p=4%E5%8F%B7%E6%A9%9F&ei=UTF-8
・「2号機」のリアルタイム検索(Twitter)
http://realtime.search.yahoo.co.jp/search?fr=top_ga1_sa&ei=utf-8&p=2%E5%8F%B7%E6%A9%9F
・Yahoo!リアルタイム検索
http://realtime.search.yahoo.co.jp/
・ふくいちライブカメラ関連 66
ttp://uni.2ch.net/test/read.cgi/lifeline/1365372975/l50
線量値
・福島第一原子力発電所構内での計測データ|東京電力
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/index-j.html
・福島県 原発周辺 空間放射線量率 折線グラフ
http://guregoro.sakura.ne.jp/radioactivity/fukushima_genpatsu_area/
・環境放射線測定結果|東京都
http://monitoring.tokyo-eiken.go.jp/index.html
・ATMC - 全国の線量
http://atmc.jp/geiger/
・日野市ガイガーカウンタ
http://park30.wakwak.com/~weather/geiger_index.html
・みんなでつくる放射線マップ
http://minnade-map.net/
・福島第一発電所周辺環境放射線量
http://www.atom-moc.pref.fukushima.jp/dynamic/C0002-PC.html
参考:福島では現在、最大0.8マイクロSv/時以下程度(1/8午前)。
参考:個人的判断基準
原発所在地で急に5000マイクロSv/時(=5ミリSv/時)以上の上昇:要警戒。
居住地で100マイクロSv/時(=0.1ミリSv/時):脱出準備。
居住地で1000マイクロSv/時(=1ミリSv/時):緊急脱出。
http://www.irf.se/~yamau/jpn/1103-radiation.html
(Cf. 山内正敏氏 スウェーデン国立宇宙空間研究所)
放射性降下物
・降下物のページ - 全都道府県版 - Togetter
http://togetter.com/li/237698
風向き
・福島 - Yahoo!
http://weather.yahoo.co.jp/weather/wind/7/
東電
・東電TOP
http://www.tepco.co.jp/
・東電プレスリリース(全般)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/index-j.html
・東電プレスリリース(福島第一原発関係)
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/press_f1/2013/2013-j.html
参考情報(信憑性・正確性はさまざま)
・東京新聞記事一覧 福島第一原発の現状(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/condition/list/
・4号機構造図 2011年3月22日の記事(時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/v?p=ve_soc_jishin-higashinihon20110322j-03-w310
・福島第一原子力発電所 地図・位置関係
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/images/f1_lmap-j.gif
http://nihonist.com/archives/850
http://shinsai.doorblog.jp/archives/4577141.html
・福島第一原子力発電所4号機原子炉建屋 使用済燃料プール底部の支持構造物の設置工事(PDF) 2011.6.8 東電発表の写真
http://www.tepco.co.jp/en/news/110311/images/110607_1f_1.pdf
・武田邦彦氏(中部大学)
http://takedanet.com/
・大震災(震度6弱以上)発生時の交通規制 - 警視庁
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotu/shinsai_kisei/top.htm
・パスしたほうがよさそうな食材リスト - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2132850660357592901
・4号機の燃料プールは震度5には耐えられない!?(参考情報。サイト全体の信憑性は別)
http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-1056.html
・小出裕章が説明する、4号機(使用済燃料プール)が倒壊した場合の危険性 11-3(2)
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65773412.html
・放射能、本当のこと|土壌 汚染マップ,ホットスポット
http://d.hatena.ne.jp/rakkochan/
・福島原発4号機の燃料プール補強工事(blog 院長の独り言 2011年06月09日)
http://onodekita.sblo.jp/article/45839916.html
・広瀬隆氏の週刊朝日UST劇場スペシャル 福島原発事故「収束宣言」大嘘の皮を剥ぐ 2011年12月23日 内容書き起こし
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-1342.html
・放射能汚染の主因は4号機燃料保存プールだと「ネイチャー」でスエーデンの学者が発表 リュウマの独り言
http://ryuma681.blog47.fc2.com/blog-entry-465.html
・スギ花粉の放射能汚染 本当に「影響ないレベル」? - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2132566034225107001
・http://www.youtube.com/watch?v=wvgs2R4Raio&feature=youtu.be&t=10m00s
20120109 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章【重要】
10分00秒〜
・2012年1月頃からの放射性セシウムの大量降下及び、福島原発4号機トラブル説まとめ - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2132599146227931401
・フクイチ4号機、もしもの緊急避難時の手引書|wantonのブログ
http://ameblo.jp/64152966/entry-11130758046.html
・屋内退避マニュアル&放射能防護の仕方48+食品編18|usacoのお家 マクロビオティック自然生活(効果の疑わしいものも多いが部分的に参考になる)
http://ameblo.jp/halo-usaco/entry-11130026301.html
・4号機崩壊の危険。避難の準備をしておこう。|ナリ〜ン♪真実の庭☆
http://ameblo.jp/masaminarita/entry-11132615057.html
・「Koさま」からの情報・・・(後編)- ぬまゆのブログ - Yahoo!ブログ
4号機建屋の使用済み燃料プール下のコンクリートが大規模に剥落しているとの情報
(未確認。このブログ、いろんな意味で注目)
http://blogs.yahoo.co.jp/kmasa924/28796996.html
Cf. 南相馬の被曝(?)女性(=ぬまゆさん)に関する、石井孝明さんを中心にした意見 - Togetter http://togetter.com/li/240159
・福島第一原発4号機燃料プールの現状について、ド素人にもわかること - Togetter(1/13現在。有益)
http://togetter.com/li/240902
・4号機ちゃんはどうなってるの?|Tadのブログ(1/13)
http://ameblo.jp/tad-noborder/entry-11134288628.html
・(絆は金になる)瓦礫処理と利権に関する記事まとめ - NAVER まとめ(3/24)
http://matome.naver.jp/odai/2133256037477356201
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メモ
・いわき市で安定ヨウ素剤が配布されたとの未確認情報(2011.1.4午後)
前回配布したヨウ素剤が期限切れで再配布したとの説もあり。
・いわき市の広報内容では、安定ヨウ素剤の配布は、有効期限がきたので更新・再配布とのこと。id:sumidatomohisaさんの情報提供。(2011.1.4深夜)
安定ヨウ素剤の事前配付(更新・回収)の実施について|いわき市
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/iryokenko/5696/013039.html
・福島市で放射性セシウムが異常な上昇 - 速報:@niftyニュース(1月5日(木)16時40分配信)
福島市内、1月2日午前9時〜1月3日午前9時、セシウム134が180MB/平方キロ、セシウム137が252MB/平方キロ。Cf. 1月1日午前9時〜1月2日午前9時までは、134、137ともに、ND(検出限界値未満)。また、それ以前と比べても、1月2日〜3日の値は軽く10倍以上。
・JNNライヴカメラ一時配信中止(1/10 11:50am確認)
・2012年1月11日 6時22分 ごろ 震度3 福島県 福島県浜通り 楢葉町 楢葉町北田
・2012年1月11日 3時37分 ごろ インドネシア付近 M7.3
・2012年1月12日 12時20分 ごろ 震度4 福島県 福島県浜通り ほか
・2012.1.21発表 4号機内で汚染水2リットル漏れる 福島第一原発 http://t.co/ihHpsYAK
・2012.1.22 6:00am頃より「福島県 原発周辺 空間放射線量率 折線グラフ」に変化。
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ふくいちライブカメラ
ttp://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/camera/
◇ブラウザから
ttp://mfile.akamai.com/127380/live/reflector:52045.asf
ttp://mfile.akamai.com/127380/live/reflector:51361.asf
◇ストリーミング直リン
mms://a46.l12738052045.c127380.a.lm.akamaistream.net/D/46/127380/v0001/reflector:52045
mms://a1362.l12738051361.c127380.a.lm.akamaistream.net/D/1362/127380/v0001/reflector:51361
◇
ttp://mfile.akamai.com/127380/live/reflector:52045.asx?bkup=51361∝=a
ttp://mfile.akamai.com/127380/live/reflector:51361.asx?bkup=52045∝=a
実況38
ttp://uni.2ch.net/test/read.cgi/lifeline/1323619284/l50
・ふくいちヴューワー for Android
https://market.android.com/details?id=net.hirozo.FukuichiViewerPkg
・ふくいちヴューワー for iOS
http://itunes.apple.com/jp/app/id447030973?mt=8&ls=1
小林エリカ『光の子ども1』(2013)、『マダム・キュリーと朝食を』(2014)
小林エリカ氏の作品を二作続けて読む。一つは漫画『光の子ども1』(リトルモア、2013年)。もう一つは小説『マダム・キュリーと朝食を』(集英社、2014年)。いずれも、科学と歴史と文芸とが、幸福な出会いをした稀有なる作品である。両作は登場するキャラクター(人物・動物)や物語世界をゆるやかに共有している姉妹のような二冊である。いずれの作品も〈放射線〉〈放射能〉が物語をささえる基本的テーマのひとつであるとみてよい。その関心は2011年3月に起こった原子力発電所の爆発事故のはるか以前から作者のなかで育まれていたものである。両作ともに、放射線や放射能物質を単に忌避する心性とも、それを手放しに安全だと肯定する態度とも異なる、いわば恐怖と魅惑の相半ばする不思議なポエジーを湛えている。そう、ポエジーなのだ。いずれの作品も、科学や文化の歴史、具体的にはラジウムの発見、X線透視装置、映画の黎明期の技術、エジソンとテスラの対立した発電送電技術、シカゴやパリの万国博覧会、そして福島第一原発事故を強く想起させるカタストロフ後の世界、等々、丹念な歴史調査に裏付けられた、大変に博識な作品である。だが面白いのは、その博識を小林氏はみずからの創作の芸風とはしないことだ。ペダントリーというのは有意義な文芸手法のひとつで、無数の知識を縦横に散りばめた魅力的な作品は世に少なからずあるが、この両作は該博であるにもかかわらず、その知識を剥き出しに並べ立て読者を幻惑するのではなく、美しく、哀切で、ときにコミカルでもあり、エロスに満ちたテクスト、描画、コラージュとして結晶している。ペダントリーではなく、ポエジーの奇跡的な結晶。この結晶はわたしたちの前で、ラジウム塩の青い光とも微妙に異なる、冷たく、しかしどこか生気を感じさせる光を放っている。
*『光の子ども』はリトルモアのサイトで第1巻の冒頭部分が試読でき、さらに第2巻に収録されるであろう第7話以降と著者インタヴューが読める。必見である。
原発事故と科学認識論――金森修「認識論とその外部:汚染と交歓」(『哲学』第64号、2013年4月、日本哲学会)を読む
著者からご恵与いただいた論文抜刷、金森修「認識論とその外部:汚染と交歓」(『哲学』第64号、日本哲学会、2013年4月、pp.25-41)を読む。この論攷は日本哲学会第72回大会シンポジウム「知識・価値・社会――認識論を問い直す」(2013年5月11日開催)のために書かれた予稿のような性格のものである。重要な論文なので、まず内容をやや詳細に紹介する。
本稿で問題となるのは、「科学」、「認識論〔科学についての哲学的検討〕」、「認識論の歴史」の関係である。そしてこの考察の背景には、科学と認識論(史)への再考を迫る出来事であった2011年3月11日の震災による福島第一原発の大事故がある。
近代以降の認識論は、完全に自律的な領域であったというより、自らの外部にある科学を対象とし、また科学との間の類比関係・差異・距離感を見極めることで、自らの価値を模索してきた。いわば認識論は〈理念的な鏡〉として科学を随伴させてきた。少なくとも19世紀半ば頃までの科学は、自律的で、最低限の報酬しか稼がず、純粋な探究心に動かされて自然の知識を追及する凛然たる品性をもった知識人によって集積された客観的知識、という見方が或る程度までは可能なものであった。それゆえに、同時代の認識論から一定程度の信頼と期待を得た、〈明澄な鏡〉たりえたのだ。だが、福島第一原発の爆発事故後に〔全てではないが、少なからぬ〕科学者たちが示したのは、そのような古典的科学観とは異なる科学の姿であった。そこにみられたのは、イデオロギー(支配階級・利益集団が自己正当化のためにもつ虚偽意識)と一定程度合致する科学である(むろんそれはすでにマンハッタン計画やバイオテクノロジーの展開のなかで現われていた姿である。他方で、福島の原発事故以降にも高潔な活動を続けた科学者が数多くいたことは言うを俟たない)。科学がこのような姿をとるとき、それを純粋な知識論・認識論の枠だけでとらえることは不可能になってきている。このことに認識論は自覚的であったか。おそらく認識論は、イデオロギーとなかば融合した科学の姿に無自覚であり、19世紀的な〈明澄な鏡〉としての科学観を持ち続けてきた。
この科学のイデオロギー化という状況に認識論が対応するために、著者はカンギレムの〈科学的イデオロギー〉という概念を参照する。この形容矛盾のような言葉は次のような意味をもつ。すなわち、新しい科学理論が自然を捉えるために一種の知的冒険をおかすとき、通常の科学の規範から逸脱する独特の説明体系をもつことがある。これが科学的イデオロギーである。科学的イデオロギーは科学になろうとするが、実際にはそれと関わる主題が、実質的な科学的手続きを経て確立されるとき、自らの役割を終える。具体的には古代原子論、スペンサー型の進化論などがそれに該当する。そして、科学的イデオロギーは、科学者よりも、むしろ哲学者によって担われる。むろん、科学的イデオロギーが今日の目からすれば誤謬であるからといって、それが「愚者」によってなされた空虚な努力ということにはならない。むしろ科学史は多くの誤謬のなかに真理が点在しているのが常態であり、また科学的イデオロギーの多くは科学に貢献しようとした人々の個人的善意の生み出したものだ。
では、現代の科学がイデオロギーとなかば融合しているという状況と、カンギレムの言う科学的イデオロギーはどのように関係するのか。著者はさまざまな留保を設けつつも、両者は「境界付近で重なる領域をもつ」と判断する。
以上のことを踏まえた上で、認識論と認識論史は、今後どのような姿をとるべきなのか。著者はこの問いに端的に答える前に、一種の否定神学的な迂路を経る。まず現代において、認識論の役割を〈科学の基礎付け〉であると見なす認識論学者はいないはずだということ。現代科学は高度に自律的な発展を遂げているために、その基礎付けという作業は、科学の内部で行なわれる任務となったためだ。他方、これと逆の方向をもつ、認識論が自らを〈自然化〉〔自然科学化〕するという流れに対しても、著者は否定的な見方を示す。それは、もはや〈明澄な鏡〉ではない科学―だd種その内部に充分な自己批判の回路を備えていない科学――を過剰に理想化し、自身を科学化するということで陥る〈認識論の自爆〉のようなものである。
このように、来たるべき認識論を「基礎づけ主義」ではない、「自然主義」でもないと規定した上で、著者は認識論と認識論史のとるべき二つの道を示す。
第一は、現代科学が19世紀的な古典的科学観から逸脱し、イデオロギーと融合しつつある姿を端的な堕落とみなし、本来あるべき科学の姿を汚染する因子を排除しようとする方向。この方向をとる場合、認識論史は科学的認識の規範(客観性・普遍性・公益性)とその保護を最重視して思想家の位置付け、評価を行なう。
第二は、それと正反対の方向。すなわち、現代科学がイデオロギーと半ば重なりつつあるような様態を、古典的科学観からの逸脱としてとらえるのではなく、むしろそのようなことは実は過去にも頻繁に起こっていたかもしれない、科学の常態であるとみなすこと。この方向をとるとき、認識論史は、これまで辺縁化し、重視しないできた科学外の因子に眼差しを向けなければならない。したがって認識論史は政治史、宗教史、産業史、科学史、文化史などと密接し、なかば歴史学全般のなかに自らを拡散させる。さらにはこのような認識論史の外化に加えて、古代懐疑主義〔16世紀にセクストゥスがラテン訳されたことで再導入された形での〕が行なおうとしたような〈論理的展開の瓦解〉を図る手法を用いて、論理的・領域内在的にも、認識論史の作業をより鋭利なものとする可能性が見出される。
この二つの方向性のどちらが良いという総合的判断は難しいとしつつも、著者は個人的には後者、つまり認識論史の複線化、複層化、脱-純化の方向に惹かれるとし、それは哲学史一般にとっても新たなアプローチの誘惑となるであろうと主張する。
そして、このような認識論と認識論史にほぼ共通の新たな方法論を示したうえで、認識論(つまり過去の認識論の歴史的評価ではなく、現在の、そして今後の科学についての認識論)の営みには、従来以上に〈科学批判〉の役割に自覚的であること、科学批判の諸動向と緊密にリンクすることを求めている。それは深甚な原発事故が起こった上に、政府が「旧ソ連よりも酷い棄民ぶりを露呈した」日本で、「近未来に放射線障害で苦しむはずの多くの同胞や、極めて長期間汚染されたままになるわれわれの国土のことを思う」ならば、現代の認識論学者にとっての必須の責務であり、当然の倫理である。
以上のように、この論攷は、福島の原発事故以降に顕著な形で現われた(もともとは20世紀の半ば頃からすでにそのような形をとりはじめており、それ以前からも潜在的にはそうであったかもしれない)イデオロギーと密接した科学に対して認識論や認識論史がどのような態度を取るべきなのかという見通しを示す、重要な問題提起である。認識論という「浮世離れした」学問領域が現実の科学や社会の在り方に深くコミットし、自らを変形しようとする努力を示した、真摯な倫理に貫かれた論文という印象を受けた。福島第一原発の事故を受けて書かれた学問的著作のなかでも、冷静な論述と熱い批判精神を併せ持つ、きわめて良質なものの一つといってよい。内容上やや気になった点が二つある。一つは、今日、科学の基礎付けを認識論の仕事だと考えている研究者はいないという記述。私もそのような学者がいないことを切に願うが、実際にはいないわけではない。もう一つは、最後の節で古代懐疑主義に言及されていること。著者は、ようするに古代懐疑主義のインパクトを受けてなされたピエール・ベールの一連の仕事のようなことを念頭に置いているのだと思われ、それは実際、今日においても豊饒な成果が期待される研究プログラムであると私も思うが、ここでの古代懐疑主義への言及の仕方はやや唐突かつ説明不足で、それがもつ意義や破壊力やインパクトが充分に伝わってこないという印象を受けた。また、この論攷の文章は著者の他の著作と同様に、美しく、理解しやすいものだが(認識論についての深い専門知識がなくとも充分に理解でき、また随所に挟まれた具体的な挿話も読む者を惹きつける)、個人的には表記面で、漢字の比率が少し多いのが気になった(「〜する積もり」「〜した事」「〜に於いて」などは、著者の他の著作では平仮名に開いていることが多いように思う。私ならば間違いなく仮名書きする)*1。むろん、これらの点はこの論文全体の価値を大きく損なうようなものでないことを明記しておきたい。
【再掲】金森修編著『昭和前期の科学思想史』(勁草書房、2011年)合評会
この度、金森修編著『昭和前期の科学思想史』(勁草書房、2011年)の公開合評会を行なうことになりました。本書は日本近代の科学思想を広汎に調査した歴史研究であり、さらに、これまで日本で行なわれてきた〈科学思想史研究〉あるいは〈科学史研究〉そのものをメタ的に歴史記述するという射程をも含む重要な論集です。合評会には本書の編著者・執筆者全員が参加し、それぞれの章に対して、コメンテーターが15分程度のコメントを行ないます。総合討論の時間を設け、編著者、執筆者、コメンテーター、会場の皆様で議論をしたいと思います(そのため、この合評会には、本書を読んだ上でご参加くださいますようお願いいたします)。多くの皆様にお越しいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
『昭和前期の科学思想史』合評会
日時:2012年4月14日(土) 13:00〜17:30
会場:東京大学本郷キャンパス 教育学部棟1階 第1会議室
(地図http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_09_01_j.html)
※教育学部棟の正面入口を入ってすぐ右手にある部屋です。
【重要なお願い】
(1)会場の教育学部棟入口は施錠されています。当日は12:40〜13:00までドア係が解錠します。この時間に(なるべく12:50までに)ご来場くださいますようお願いいたします。13:00以降の入場の場合、入口ドアに掲示してある電話番号までご連絡ください。
(2)準備の都合上、ご参加くださる方は、以下のフォームにて4月7日(土)までにお申し込みくだされば幸いです。懇親会(本郷周辺、5000〜6000円程度を予定)の出欠もお知らせいただければ大変助かります。
https://docs.google.com/spreadsheet/viewform?formkey=dHoySDcwcGE4VS1hRFAtdWJ4Q3VIeVE6MQ
【3/24追記】会場にまだ若干の余裕があります。皆様のご参加をお待ちしております。
金森修編著『昭和前期の科学思想史』(勁草書房、2011年)内容詳細:
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b93986.html
当日の進行予定:
12:40 開場
13:00 開会
13:00-13:30 第一章 原子核・素粒子物理学と競争的科学観の帰趨
コメント:金山浩司(日本学術振興会特別研究員(PD)・東京工業大学大学院)
執筆者からの応答:岡本拓司(東京大学)
13:30-14:00 第二章 眞島利行と日本の有機化学研究伝統の形成
コメント:Victoria Lee(プリンストン大学博士課程・東京大学東洋文化研究所訪問研究員)
執筆者からの応答:梶雅範(東京工業大学)
14:00-14:30 第三章 日本人起源論と皇国史観──科学と神話のあいだ
コメント:森脇江介(東京大学大学院修士課程)
執筆者からの応答:坂野徹(日本大学)
14:30-15:00 第四章 日本漢方医学における自画像の形成と展開──「昭和」漢方と科学の関係
コメント:藤本大士(東京大学大学院修士課程)
執筆者からの応答:愼蒼健(東京理科大学)
15:00-15:15 休憩(15分)
15:15-15:45 第五章 生物学と歴史哲学──京都学派における〈生物学の哲学〉
コメント:串田純一(日本学術振興会特別研究員(PD)・東京大学大学院)
執筆者からの応答:板橋勇仁(立正大学)
15:45-16:15 序章 〈科学思想史〉の来歴と肖像
コメント:奥村大介(慶応義塾大学大学院博士課程・日本学術振興会特別研究員(DC1))
執筆者からの応答:金森修(東京大学)
16:15-16:20 休憩(5分)
16:20-17:30 総合討論
17:30 閉会
18:00- 懇親会
企画・司会進行:
住田朋久(東京大学大学院博士課程・日本学術振興会特別研究員(DC1))
奥村大介(慶応義塾大学大学院博士課程・日本学術振興会特別研究員(DC1))
この研究会についての問い合わせはokumuradaisuke1884[at]gmail.com(奥村大介)にお願いいたします。
金森修編著『昭和前期の科学思想史』(勁草書房、2011年)合評会
この度、金森修編著『昭和前期の科学思想史』(勁草書房、2011年)の公開合評会を行なうことになりました。本書は日本近代の科学思想を広汎に調査した歴史研究であり、さらに、これまで日本で行なわれてきた〈科学思想史研究〉あるいは〈科学史研究〉そのものをメタ的に歴史記述するという射程をも含む重要な論集です。合評会には本書の編著者・執筆者全員が参加し、それぞれの章に対して、コメンテーターが15分程度のコメントを行ないます。総合討論の時間を設け、編著者、執筆者、コメンテーター、会場の皆様で議論をしたいと思います(そのため、この合評会には、本書を読んだ上でご参加くださいますようお願いいたします)。多くの皆様にお越しいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
『昭和前期の科学思想史』合評会
日時:2012年4月14日(土) 13:00〜17:30
会場:東京大学本郷キャンパス 教育学部棟1階 第1会議室
(地図http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_09_01_j.html)
※教育学部棟の正面入口を入ってすぐ右手にある部屋です。
【重要なお願い】
(1)会場の教育学部棟入口は施錠されています。当日は12:40〜13:00までドア係が解錠します。この時間に(なるべく12:50までに)ご来場くださいますようお願いいたします。13:00以降の入場の場合、入口ドアに掲示してある電話番号までご連絡ください。
(2)準備の都合上、ご参加くださる方は、以下のフォームにて4月7日(土)までにお申し込みくだされば幸いです。懇親会(本郷周辺、5000〜6000円程度を予定)の出欠もお知らせいただければ大変助かります。
https://docs.google.com/spreadsheet/viewform?formkey=dHoySDcwcGE4VS1hRFAtdWJ4Q3VIeVE6MQ
金森修編著『昭和前期の科学思想史』(勁草書房、2011年)内容詳細:
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b93986.html
当日の進行予定:
12:40 開場
13:00 開会
13:00-13:30 第一章 原子核・素粒子物理学と競争的科学観の帰趨
コメント:金山浩司(日本学術振興会特別研究員(PD)・東京工業大学大学院)
執筆者からの応答:岡本拓司(東京大学)
13:30-14:00 第二章 眞島利行と日本の有機化学研究伝統の形成
コメント:Victoria Lee(プリンストン大学博士課程・東京大学東洋文化研究所訪問研究員)
執筆者からの応答:梶雅範(東京工業大学)
14:00-14:30 第三章 日本人起源論と皇国史観──科学と神話のあいだ
コメント:森脇江介(東京大学大学院修士課程)
執筆者からの応答:坂野徹(日本大学)
14:30-15:00 第四章 日本漢方医学における自画像の形成と展開──「昭和」漢方と科学の関係
コメント:藤本大士(東京大学大学院修士課程)
執筆者からの応答:愼蒼健(東京理科大学)
15:00-15:15 休憩(15分)
15:15-15:45 第五章 生物学と歴史哲学──京都学派における〈生物学の哲学〉
コメント:串田純一(日本学術振興会特別研究員(PD)・東京大学大学院)
執筆者からの応答:板橋勇仁(立正大学)
15:45-16:15 序章 〈科学思想史〉の来歴と肖像
コメント:奥村大介(慶応義塾大学大学院博士課程・日本学術振興会特別研究員(DC1))
執筆者からの応答:金森修(東京大学)
16:15-16:20 休憩(5分)
16:20-17:30 総合討論
17:30 閉会
18:00- 懇親会
企画・司会進行:
住田朋久(東京大学大学院博士課程・日本学術振興会特別研究員(DC1))
奥村大介(慶応義塾大学大学院博士課程・日本学術振興会特別研究員(DC1))
この研究会についての問い合わせはokumuradaisuke1884[at]gmail.com(奥村大介)にお願いいたします。