2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

バシュラール『水と夢』(続き)

さらに、引用を続ける。「詩の機能をもつ全ての偉大なコンプレックスと同じく、オフィーリアのコンプレックスは宇宙的な段階にまで上昇することができる。そのとき、これは月と波の一致を象徴化するのだ。巨大な漂う影像(ルフレ)は、色あせて死ぬ世界のイ…

バシュラール『水と夢』

この読書録の第一回は、わたしの読書歴の原点といえる本にあてたい。バシュラール(Gaston Bachelard, 1884-1962)はフランスの哲学者。科学史科学哲学の研究者にして詩論家という異色の思想家である。『水と夢』は彼の詩論の系列を代表する著作といってよい…