四方田犬彦・高山宏トークショー 『先生とわたし』をめぐって」

 その後、中央線で東京駅まで移動し、丸善・丸の内本店へ。書肆K社のIYさんにお誘いいただいていた、四方田犬彦氏と高山宏氏のトークショーを聴く。四方田氏の新刊『先生とわたし』(新潮社)で描かれた由良君美氏をめぐるお話だ。四方田・高山両氏とも、東大で由良君美門下で文学を学んだ英学徒だった。この日のトークでは、いろいろとゴシップまがいの話も楽しかったが、四方田氏が「師弟関係」の問題として論じた二つのトピック、すなわち1.新興宗教の師弟関係の問題をどうとらえるか(端的にはオウムの麻原「尊師」と弟子たち)、2.人文科学の担い手の7割が女性研究者になりつつある現在、われわれはいまだ女性の先生と男の弟子(女性教授と男性大学院生など)という関係の「型」をもっていない(例えば女の先生と男の弟子を描いた小説や映画があるか?)、という二点は重要な指摘であるように思う。

先生とわたし

先生とわたし

 結局、丸善では2冊買った。
12. 四方田犬彦『先生とわたし』、新潮社、2007年、1500円
13. 長山靖生『奇想科学の冒険―近代日本を騒がせた夢想家たち』、平凡社新書、2007年、798円

 会場にてK社IYさん、同社IG氏、畏友Yさんにお目にかかる。終了後、4人で、東京駅八重洲口地下の〈中国大飯店〉というどこかで聞いたことがあるような名前の中華料理店にて食事。なかなか美味しい。

○中国大飯店
http://www.tokyoinfo.com/store/042-01.html