中野幹隆追悼ブックフェア/今日買った本

 新宿紀伊国屋書店本店とジュンク堂新宿店をハシゴ。両店とも、今年2月に亡くなった中野幹隆氏の編集した書籍・雑誌を集めたブックフェアを開催している。本好きの方には周知のことと思うが、中野氏は『現代思想』『エピステーメー』など70年代から80年代の思想誌の編集長として活躍し、朝日出版社では「エピステーメー叢書」「科学の名著」シリーズで数々の名著を企画、のちに書肆・哲学書房を主宰して思想書の刊行に尽力した名編集者である。このブックフェアでは、朝日出版社時代の書籍(目録上は全て品切の、長らく倉庫の奥に眠っていたのだろう古い書目ばかり)や哲学書房の出版物など、日頃書店店頭ではなかなか見かけない本を集めている。古本でしか手に入らないと思っていた本が(経年変化でいくらか傷んでいるものもあるが)新本で手に入るのはうれしい。ついつい何冊も買ってしまった。

 まず紀伊国屋書店にて

  1. 長野敬編『科学の名著 第II期・第9巻 ベルナール』、朝日出版社、1989年、6825円
  2. ピアジェ、滝沢武久訳『思考の誕生』、朝日出版社エピステーメー叢書、1980年、1260円
  3. 西雅彦『個体化する欲望』、朝日出版社エピステーメー叢書、1980年、924円
  4. ハウインク、金子務訳『おかしなデータ・ブック』、朝日出版社エピステーメー叢書、1978年、1050円
  5. ビュトール清水徹・田部井玲子訳『中心と不在のあいだ』、朝日出版社エピステーメー叢書、1983年、1050円
  6. 植島啓司『新版 男が女になる病気』、朝日出版社エピステーメー叢書、1989年、1223円
  7. 村上陽一郎豊田有恒『神の意志の忖度に発す』朝日出版社・LECTURE BOOK、1985年、1008円

 ブックフェアとは別に以下の2冊も購入。
8. ヘルムート・グレーガーほか編、大橋正和訳『写真が語るウィーン精神医学史』、現代書林、2002年、4000円
9. 鈴木貞美『生命観の探究』、作品社、2007年、7980円

 重くなるので配送を頼む。

 さらにジュンク堂にて。ここでは中野幹隆ブックフェアの本は1冊のみ購入。
10. 雑誌『エピステーメー』、1979年6+7月号、終刊号、朝日出版社、735円
11. ジャン・ルーセ、金光仁三郎訳『ドン・ファン神話』、審美社、1988年、2800円

 この2冊も配送。ジュンク堂では中野幹隆ブックフェアのためのチラシが二種類配布されていた。ひとつは中野氏が編集した全書籍・雑誌リスト。もうひとつは中野氏が書いた哲学書房設立の辞、氏が亡くなったときの追悼文などを掲載したもの。