ポウプ『人間論』
- 作者: ポウプ,上田勤
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1950/10/25
- メディア: 文庫
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見るがよい、この空、この海、この大地を埋めて、
あらゆるものが活々躍動し、誕生している。
上には生命がなんと高くまで進出し、
周囲はなんと広く、下はなんと深く延びていることか。
存在の巨大な鎖! それは神に始まり、
天のもの、地のもの、天使、人間、
けだもの、鳥、魚、虫、
眼に見えぬもの、望遠鏡のとどかぬもの、
無限から汝へ、汝から無へ――
上なる力に我らが続くとすれば、
下なる力は我らにつづいている。
(30-31頁。現代の漢字・仮名遣いに改めた)
ここに「存在の巨大な鎖」と訳されているのは、アーサー・ラヴジョイがあの大著で述べた「存在の大いなる連鎖(Great Chain of Being)」、神(イデア)からの距離におうじて万物は秩序付けられ、ひとつながりの鎖によって結合されているという、プラトン以来の西洋思想を貫く観念である。
- 作者: アーサー・ラヴジョイ,内藤健二
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 1975/01
- メディア: 単行本
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