渋谷ブックファーストが10月に閉店?

 出版業界紙新文化」のweb版を読んでいて驚いた。

ブックファースト渋谷店(東京)、10月中旬に閉店へ
「入居中のビルの建替えにより」と理由を発表。同時に、来年11月、東京・新宿駅西口で現在建設中の「モード学園コクーンタワー」地下1〜2階と地上1階に「新宿店(仮称)」を1090坪で、渋谷店の閉店と同じ今年10月に渋谷第一勧銀ビル地下1〜2階に「渋谷文化村通り店(仮称)」を200坪で出店することも発表した。さらに、来春に東京・秋葉原、来秋に兵庫・西宮に出店することも明らかにした。
http://www.shinbunka.co.jp/ (4/25)

 かつてブックファースト渋谷店の1階にはマ・メゾンという素晴らしい喫茶店が入っていて、私はほとんど毎週ここに立ち寄り、買い求めた本をぱらぱらとめくることを喜びとしていた。この喫茶店が2年前に突如閉店。関係筋をしつこくかぎまわったところ(個人的に得た情報だが、今となってはここに書いても差し支えないだろう)、ビル全体が近く改築になり、ブックファースト本体も撤退する可能性がある、という情報が得られた。当時は「まさか?」と思ったが、閉店したマ・メゾンのスペースは別のテナントが入ることもなく放置されていたので不審に思っていたら、ほんとうにブックファーストそのものが閉店になるようだ。ちなみに「新文化」の情報にある、小規模になって移転する先の渋谷第一勧銀ビル地下とは、かつて旭屋書店が入っていて、こちらも数年前に閉店した場所だった。それにしても渋谷の書店事情は悪化するばかり。異色の古本屋〈闘牛百科書店〉が閉店したことは先日このブログで書いた。大盛堂書店も数年前に本店ビルが閉店となり、かつて「大盛堂文庫タワー」だったセンター街入口の店が本店という扱いになった(付言すれば、大盛堂とゆかりが深いナチ・ショップ〈アルバン〉は、かつて本店のビルの上階に入っていたが、まず文庫タワーの最上階に移転。さらに、文庫タワーが本店扱いになったことにともなって、宮下公園近くのアパートメントの一室に移転)。渋谷に読書人は寄り付かなくなっているということか。それともやはり出版産業の不振がいまだ続いているということか。いずれにしても、また本が買いにくくなる。困った。