ノヴァーリスの鉱山幻想
鉱夫をめぐって。
「鉱山の仕事はまちがいなく神の祝福にあずかっています。鉱山の仕事ほど、幸せと気高さをもたらし、神の叡智と摂理への信仰をめざめさせ、けがれのない子供のような心を保ってくれるものはありませんからね。鉱夫は貧しく生まれ、貧しく死んでいきます。鉱物の力がみつかる場所を知り、鉱物を白日のもとに運び出せれば満足で、そのまばゆい輝きに澄んだ心がぐらつくようなことはありません。商品となった鉱物など、鉱夫にはなんの魅力も持ちえない。」(ノヴァーリス、青木誠之・池田信雄・大友進・藤田総平訳「青い花(ハインリヒ・フォン・オフターディンゲン)」、『ノヴァーリス全集』、第三巻、沖積舎、2001年、138頁、訳文一部変更)
「ノヴァーリスにとって、鉱夫とは『逆さまの占星術師』である。」(Bachelard, La Psychanalyse du feu, Paris, 1938. Gallimard, coll. Folio, 1985, p.76. Cf. 前田耕作訳『火の精神分析』せりか書房、1969年)
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