日本近代文学会

 本郷の東大にて。

2008年度6月例会
   日時:2008年6月28日(土) 13:30より

   場所:東京大学 本郷キャンパス・法文2号館二階一番大教室

研究発表
 遠藤郁子  佐藤春夫『李太白』 ―現実超克への志向性とその表現をめぐって―
 早川芳枝  中上健次における折口信夫受容 ―折口学〈小説〉化の試みを探る―
 鈴木貴宇  「江分利満」のモダニズム ―山口瞳江分利満氏の優雅な生活』から〈サラリーマン〉を考える―

 時間の都合で、遠藤さんの佐藤春夫論のみを聴く。李太白が地上の世界、水中の世界、天上の世界と転生する幻想的なイマージュをバシュラールふうに読み解き、またこの『李太白』という小説が佐藤春夫の詩論として構成されていることを明らかにする素晴らしい発表であった。
 佐藤の『李太白』は未読なので、ぜひ近々に読んでみたい。全集以外だと、次の本に収録されているようだ(品切だが、古本等で比較的入手しやすいはず)。

佐藤春夫 (ちくま日本文学全集)

佐藤春夫 (ちくま日本文学全集)

 3時から駒場で生物学史分科会に出席しなければならないので、2時に本郷を後にする。南北線、山手線、井の頭線を乗り継いで、駒場東大前で下車。すでに3時をすぎている。本郷・駒場の移動は思いのほか時間がかかる。