P.K.ディック

 必要あってフィリップ・K・ディックの作品を数冊読み、原作の映画をまとめて見なおす。『ブレード・ランナー』、『マイノリティ・リポート』。いずれも原作よりも映画のほうが出来がいい気がする。あと、この作家は(熱烈なフリークが多いので恐らく論じ尽くされているだろうが)、或る人物が「自分の存在論的身分」に気づいた瞬間に物語が大きく展開する、あるいは謎が明らかになる、という筋立てに愛着を持っているらしいことに気づく。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』(映画『ブレード・ランナー』の原作)がまさにそうだし、『ユービック』もこのパターンである。

ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)

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ブレードランナー 最終版 [DVD]

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「ブレードランナー」論序説 (リュミエール叢書 34)

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マイノリティ・リポート―ディック作品集 (ハヤカワ文庫SF)

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