サルトル『ユダヤ人』
ユダヤ人論の古典を読む。
- 作者: J‐P.サルトル,Jean‐Paul Sartre,安堂信也
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1956/01/16
- メディア: 新書
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Réflexions Sur La Question Juive (Folio Essais)
- 作者: Jean-Paul Sartre
- 出版社/メーカー: Gallimard
- 発売日: 1985/03/15
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「…経験が、ユダヤ人という観念を生むというのは、とんでもない話で、逆に、その概念が経験に色をつけるのである。もし、ユダヤ人が存在しなければ、反ユダヤ主義は、ユダヤ人を作り出さずにはおかないだろう」(p.9)
「もし、奇跡によって、彼らの望んでいるように、ユダヤ人が皆殺しにされてしまったとしたら、彼等〔反ユダヤ主義者〕は、はっきり階級付けられた社会の中で、再び単なる門番か、店番に帰らなければならない。…それまでユダヤ人の不正な競争のせいにしていた自分の失敗も、いそいで、なにか他の原因に帰するか、自分の中に探って見るかしなければならなくなり、憤懣と、特権階級に対する陰鬱な憎悪に落ち込みかねない。このように、反ユダヤ主義者は、その敵を打ち砕こうとしていながら、しかも、生かしておかなくてはならないという不幸に、悩まされているわけである」(pp.28-29)