表象文化論学会 研究集会

以下の研究会があります。個人的には鈴木賢子氏の「W・G・ゼーバルトにおける博物誌/自然史」、遠山いずみ氏「「セルフ・ポートレート」における「わたし」イメージの生成──松井冬子の作品に描かれる「自傷」の身体を通して」に注目。

表象文化論学会
第5回研究発表集会プログラム

日時:11月13日(土)9:30-18:30
場所:東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム1〜3

事前予約不要、会員入場無料、当日会員1000円

9:30-12:00(三人のセクションは11:30まで)研究発表 午前

研究発表1(コラボレーションルーム1)「記憶・歴史・アーカイヴ」
小澤京子(東京大学)「書物内の旅──C.-N. ルドゥーの建築書における空間配列と身体性」
鈴木賢子(実践女子大学)「W・G・ゼーバルトにおける博物誌/自然史」
石田圭子(東京藝術大学)「〈場所〉と記憶──記憶芸術(Gedächtniskunst)の場所をめぐって」
香川檀(武蔵大学)「アーカイヴ・アートによる歴史的記憶の表象──ジークリット・ジグルドソン《静寂の前に》」
司会:田中純東京大学

研究発表2(コラボレーションルーム2)「現代芸術における表象とその回路」
池野絢子(京都大学日本学術振興会)「同語反復と謎──1960・70年代における形而上絵画の系譜」
藤田瑞穂(大阪大学)「〈アルバム〉から〈トータル・インスタレーション〉へ──イリヤ・カバコフ「十の人物」をめぐって」
宮内裕美(お茶の水女子大学)「ニューヨーク・ダダにおける自己表象のポリティクス──鏡を手がかりとして」
玉井潤野(京都大学)「「悪」の拡散と暴力の遍在──ピンチョン『メイソン&ディクソン』について」
司会:佐藤良明

研究発表3(コラボレーションルーム3)「動員される身体──日本と中国」
志村三代子(早稲田大学演劇博物館)「戦時下の〈女子〉「生産増強」映画──黒澤明の『一番美しく』をめぐって」
森平崇文(早稲田大学演劇博物館)「雑技の社会主義的改造──中国雑技団を中心に」
劉文兵(東京大学)「映画監督木下恵介と中国──『二十四の瞳』から『戦場の固き約束』まで」
司会:貝澤哉早稲田大学

13:30-16:00(三人のセクションは15:30まで)研究発表 午後1

研究発表4(コラボレーションルーム1)「欲動・イメージ・動物化
千葉雅也(東京大学日本学術振興会)「初期ドゥルーズのヒューム/ベルクソン解釈における差異概念と表象批判」
石岡良治近畿大学)「欲動イメージとその運命──ジル・ドゥルーズ『シネマ』における部分対象の問題系」
井上康彦(東京藝術大学)「写真(クリシェ)から力を解放する──フランシス・ ベーコンの写真使用について」
長谷川晴生(東京大学)「革命的動物──ドイツ保守革命と獣性の省察
司会:國分功一郎高崎経済大学

研究発表5(コラボレーションルーム2)「女性とその表象」
松本由起子(北海道医療大学)「家庭における女性の消費とエネルギーの拘束──1870-80年代英国中産階級フロイト初期経済理論から」
岡田尚文(学習院大学)「H・G・ルイス血の祝祭日』(1963年)における女性の身体表象」
宮本明子(早稲田大学)「鏡の中の紀子──小津安二郎『晩春』における「杜若(かきつばた) 戀之舞」
遠山いずみ(立教大学)「「セルフ・ポートレート」における「わたし」イメージの生成──松井冬子の作品に描かれる「自傷」の身体を通して」
司会:香川檀(武蔵大学

研究発表6(コラボレーションルーム3)「メディア・テクノロジーのポリティクス」
木下知威「遠い写真──昭和大礼における電送写真をめぐって」
冨山由紀子(東京大学)「〈日常〉写真の静かな抵抗──下津隆之「沖縄島」を読む」
阪本裕文(稚内北星学園大学)「記録とアヴァンギャルド──戦後日本における前衛記録映画論とその背景」
伊藤未明(IDC Japan)「「ネットワーク資本主義」における「矢印」の美学──経営の言説におけるイメージ表象の分析試論」
司会:橋本一径(愛知工科大学

16:15-18:30 シンポジウム「映像・深さ・身体──3Dの系譜」(コラボレーションルーム1) 午後2

石田美紀新潟大学)「もどきの経験──スクリーンをみる身体とスクリーンにいる身体」
中村秀之(立教大学)「1953-D年、日本── 「立体映画」言説と映画観客」
細馬宏通滋賀県立大学)「映画館を覆う──ディズニーとエイゼンシュタインの立体表現」
司会:木下千花静岡文化芸術大学

《シンポジウム主旨》
アバター』(2009)は21世紀の『ジャズ・シンガー』 (1927)となるのだろうか。本シンポジウムは、刻々と更新される3D映画の現在を視野に収めつつも、「3D」(スリーディメンショナリティ)をキーワードとしてメディア史を振り返る。そこには、観客の知覚と身体、リアリティとイリュージョン、物語とスペクタクル、指標と図像、深さと表層、共感覚と間メディア性など、映画と視覚文化の中心的な問題系が多層的な像を結んで浮上するだろう。

http://www.repre.org/event/meeting/index.html