薔薇空間 宮廷画家ルドゥーテとバラに魅せられた人々

clair-de-lune2008-06-15

 ルドゥーテ生誕250年記念 薔薇空間 宮廷画家ルドゥーテとバラに魅せられた人々

 フランス革命の動乱期に、マリー・アントワネットやナポレオン妃ジョゼフィーヌに仕えた宮廷画家ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ(1759〜1840年)は、バラの花の魅力に取りつかれ、169枚の銅版画からなる大著『バラ図譜』(Les Roses)を完成させました。ボタニカル・アートの金字塔とされるこの作品で、ルドゥーテは植物学的正確さを踏まえ、芸術性も備えた「バラの肖像」を描き出すことに成功し、現在も多くの人々を魅了しつづけています。
 本展は「バラのラファエロ」と称えられた巨匠ルドゥーテの生誕250年を翌年に控え開催されるもので、テーマをバラだけに絞り、日本で初めて大判のフォリオ判『バラ図譜』の全169作品を一堂に展示公開します。
 さらにバラの研究家、エレン・ウィルモット(1858〜1934年)の著作『バラ属』(The Genus Rosa)に収められたアルフレッド・パーソンズリトグラフ、日本のボタニカル・アートの草分け的存在である二口善雄(1900〜1997年)の水彩画のほか、現代の人気写真家、齋門富士男がバラに魅せられて撮った最新作もあわせて展示、18世紀から現代まで、バラに魅せられた人々の作品を紹介いたします。
 また、会場では、パフューマリー・ケミスト蓬田勝之氏の協力により薔薇の「香り」の演出も加え、本物のバラ園とはまた別の魅力を持つ華麗なる「薔薇空間」を出現させます。

会 期 2008年5月17日(土)−6月15日(日) 開催期間中無休
開館時間 10:00−19:00(入館は18:30まで)
毎週金・土曜日21:00まで(入館は20:30まで)
会 場 Bunkamuraザ・ミュージアム
交通案内 電車の場合 /お車の場合
主 催 Bunkamura産経新聞
後 援 サンケイスポーツ夕刊フジフジサンケイビジネスアイiza!SANKEI EXPRESSサンケイリビング新聞社
協 力 NPOバラ文化研究所、キャドセンター、キューフロント、アトリエ染花、堀内カラー
企画協力 コノサーズ・コレクション東京、テモアン

http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/08_rose/index.html

 ルドゥーテの『薔薇』(Les Roses) は、かつて荒俣宏氏が学研からリプリント本を出していたが、絶版。一度、復刊したが、かなり高価だったので購入を躊躇しているうちに、売り切れてしまった。いまはタッシェンのリプリント版(欧文版/邦訳版)が入手しやすい。いずれにしても現物をみたことはなかったので、今回の展示は大変喜ばしいものであった。パーソンズと日本の作家たちの作品もまずまずだが、この展示の中心はやはりルドゥーテである。会場には薔薇の香りがふりまかれ、また、展示の性質上、女性客が多く、華やいだ雰囲気であった。薔薇のデザインのものを身に着けてくると割引になるというサービスをしていたので、薔薇柄のワンピースの女性などを多くみかけた。展示は大変よかったが、図録の出来は最悪。ルドゥーテの版画の余白部分に日本語で解説文を印刷しており、見苦しいこと甚だしい。ブックデザインをしたデザイナーの見識を疑う(それでも1冊買ってしまったが)。ミュージアムショップではポストカード、一筆箋、ハンカチなどのルドゥーテ・グッズが数々売られており、これらはけっこう出来がよく、つい衝動買い・・・(図録が3冊以上買える金額を使ってしまったことを激しく後悔)。

The Roses: The Complete Plates (Taschen 25th Anniversary)

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ルドゥーテのバラ (タッシェン・アイコンシリーズ)

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The Floral Art of Pierre-Joseph Redoute

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バラの画家ルドゥテ

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Redoute Roses

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