生物学史分科会 Bichatの生気論

 午後3時より東大駒場にて科学史学会生物学史分科会に出席。
 発表者は加納由起子氏。発表は――未公刊の内容なのでここに詳細は書かないが――、フランスの医学者ビシャ(Marie-Francois-Xavier Bichat, 1771-1802)の生気論(le vitalisme)に関する歴史研究で、ビシャの体系における生と死と病のアナロジカルな把握を分析したもの。加納さんは19世紀を専門とするフランス文学者だが、この発表はクロノロジーの厳密な把握と史料をして語らせることを旨とする堅実な歴史研究の模範のようなものだ。歴史なのか哲学なのか文学研究なのかわからない怪しげな科学文化論なるものをやっている身としては、反省することしきり(ちなみに加納さんは9月30日に私が同じ学会でさせていただいた物活論(le hylozoisme)にかんする発表のときわざわざ遠方より聴きにきてくださって、たくさんのコメントをしてくださったかた)。
 終了後、例によって駒場キャンパス内のフランス料理店ルヴェ・ソン・ヴェールにて懇親会。