鎌仲ひとみ『六ヶ所村ラプソディ』@ポレポレ東中野

 公式サイト http://www.rokkasho-rhapsody.com/
 六ヶ所村のドキュメンタリー。『ヒバクシャ』の鎌仲監督の新作。まあ、NHKスペシャルのような映画である。だから「映画として」特に言うべきことはないというのが正直なところだが(フレデリック・ワイズマン原一男タナダユキ、あるいはマイケル・ムーアにすら、この映画は学ばなくてはならない)、原発反対運動家の姿も、原発産業を必要悪として受け入れざるを得ないと考える人々(原発施設や関連産業の労働者)や原発推進派(原発関連産業の経営者など)も、それなりに目をくばって取り上げているので、一見の価値はある。それにしても、人口1万数千人の六ヶ所村で、反対運動をしているのは現在では数人しかいない、というナレーションがあったが、本当なのか? あと、反対運動家が、例によってこぎたない(失礼)恰好で民家を回ってビラを配っているのが何ともはや。もともとが煙たがられるようなことをしているのだから、せめて身なりだけでもこぎれいにできないものか(スーツ姿でビラを配ってはどうか?)と思ってしまう。60年代から時間がとまったような、イカレたヒッピー中年ふうのおっさんには涙が出る。熱意もわかるし、反体制をファッションで表明したいのもわかるが、長髪に短パンにピースマークといのは「営業上」得策でないだろう。
 ポレポレでの上映は3日で終了するが、好評だったようで(100席の劇場で連日50〜60%の混雑率、とポレポレのスタッフ談)、来年1月7日から追加上映が決定した。