黒沢清『LOFT』@テアトル新宿

http://www.loft-movie.com/
黒沢清の最新作『LOFT』を見る。絶品。ミイラの映画だ。しかも女性のミイラ。空虚な思いを抱いて生きている女性作家(中谷美紀)と、沼から引き上げられた1000年前の女性のミイラを密かに保管する人類学者(豊川悦司)。かつて作家志望の女子大生が暮したという、山奥の謎の洋館で不意に出会った二人は、なぜか、いつしか惹かれ合う。二人の間には女のミイラがあった・・・。「死」の恐怖よりも物体としての「屍体」の禍々しさを強く感じさせようとしている映画である。だが、それを貫徹しきれず、凡庸な「死」や「死者」の恐怖へと退行してしまう面もある。これはマイナス要素だ。中谷美紀の抜擢は的確。彼女の魅力を見事に生かしたヘアメイクや衣装も完璧だ(これを見て勉強せよ>映画版『電車男』の監督)。
(この項、時間があれば後ほど追記する)