生物学史分科会

clair-de-lune2006-09-30

午後3時より東大駒場キャンパスにて開かれた日本科学史学会・生物学史分科会で発表させていただく。分不相応にも2時間枠。テーマは18,19世紀の物活論(hylozoisme)。先生方からの貴重なご意見、ご批判、激励をいただいた。ご出席くださったすべての方と同分科会事務局Kさんに心より感謝いたします。かねてよりお世話になっているK大学の生物学者T博士、科学論研究の先達Nさん、また、比較的最近知遇を得た作家のKさんとコピーライターのHさんもお越し下さった。個々にメールにて略式ながら御礼をいたしましたが、あらためてこの場で再度御礼もうしあげます。会場でフランスの科学史(科学思想史)を専攻されている研究者の方々、学生さんにおめにかかることができたのも幸いだった。
閉会後、駒場キャンパス内のフレンチ・レストラン〈ルヴェ・ソン・ヴェル〉にて懇親会。

ところで物活論について簡単に説明しておくと、一言でいえば「物質は生きている」という自然観だ。古くはアニミスムや古代ギリシアの自然哲学の世界観に見られる。近代ではディドロやヘッケルがその代表である。この近代の物活論を、単に歴史的に記述するだけではなく、今日にあっても切実な問題としてなんとか肯定的に語り、或る種の哲学的思考の材料として使えないか、というのが今回の発表で模索したところであった。充分に論を展開できたとはとてもいえない。先生方からのご批判をふまえて、いっそう精緻なものに練り上げなければならない。精進するのみ。

画像はディドロの肖像。