10月2日(日)シンポジウム「脱原発シナリオをアセスメントする」

 東京大学UTCPの石垣勝先生から以下のご案内をいただきましたので、掲載いたします。このシンポジウムの発案・企画・事務局担当は石垣先生です。非常に重要な会となるでしょう。どうか多くの皆様にご参加いただきたく思います。

シンポジウム「脱原発シナリオをアセスメントする」
2011年10月2日(日)
東京大学駒場キャンパス18号館
※参加は事前登録制です。

詳細・事前登録:
http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/events/2011/10/symposium_on_nuclear_power_pla/

プログラム:
13:00-13:10 開会
13:10-14:10 井野博満(東京大学名誉教授)
         『材料劣化・設計不備・立地不適などの技術的観点からみた危ない原発
14:10-15:10 室田 武(同志社大学教授)
        『温暖化をめぐるワインバーグの亡霊』
15:20-16:20 大林ミカ(自然エネルギー財団)
        『原発のない低炭素社会の実現』
16:20-17:20 吉岡 斉(九州大学教授・副学長/東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会委員)
        『脱原発にロードマップは必要なのか、必要でないのか』
17:30-18:15 総合討論
        司会: 金森 修(東京大学大学院教育学研究科教授)

【開催趣旨】
これまで日本の原子力発電事業は、通産省(現・経産省)主導のもと、電力事業者、原子炉メーカー、原子力関連の研究者、政治家らによる「寡頭制」で進められてきたといえよう。これら推進当事者たちは、一方において、原発依存を前提とした政治-経済-社会システムの構築を促進し、他方において、原発なしでは安価な電力の安定供給が困難になるとの言説を普及させてきた。こうした実践と言説とをトートロジー的に繰り返すことで、原発推進の正当性を高めてきたのである。また、近年においてはCO₂を排出しない「温暖化対策の切り札」という標語までもが付加され、原子力は将来的にもっとも期待できるクリーン・エネルギーとして確固たる地位を確立するかにみえた。
ところが、2011年3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震の直後から発生した一連の福島第1原発事故以降、原発に対する社会的な不信感が一気に高まることとなり、「脱原発」を視野に入れたさまざまな議論がこれまでになく活発化している。その反面、「原発の停止は日本の経済活動を停滞させる」「原発は管理を厳格化すれば問題ない」等々の意見も少なくない。かくして、事故から半年以上を経た現在も、今後のエネルギー政策の先行きは不透明なままとなっている。
こうした状況を受け本シンポジウムでは、これまでの原子力利用の妥当性について検証するとともに、未来に向けた「脱原発シナリオ」について検討していきたい。
とはいえ、本会において脱原発に向けた統一的な合意(コンセンサス)を形成しようというのではない。ここでの議論が、より広く多くの人びとを巻き込んだ公正かつ民主的なエネルギー政策論議を展開してゆくための一助となることを望むばかりである。