ロベルト・ベニーニ『ライフ・イズ・ビューティフル』

 数年ぶりに再見した『ライフ・イズ・ビューティフル』(La vita è bella, 1997, イタリア)。

ライフ・イズ・ビューティフル [DVD]

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 普段、ヒットした映画はまず観ないし、観ても感心することはめったにないが、これは傑作。ベニーニ演じる主人公グイドの徹底的なオプティミスムの力、笑いの裏にある知性と繊細さ、そして女性や子供に対する優しさには、素直に心打たれる。Buon giorno, principessa! と恋人(のちの妻)ドーラを陽気に口説くイタリア語の響きも美しい(La vita è bella という原題をきちんと訳しもせず、「ライフ・イズ・ビューティフル」などという醜悪なカタカナ英語の邦題を与えた愚行を日本版の配給会社は猛省すべきである)。ドーラを演じたニコレッタ・ブラスキも素晴らしい女優だ。